今日からできる!ECストア運用担当者のAI活用法【Shopify】

2023年の年明けあたりから「ChatGPT」を中心に、大きなAIブームが巻き起こっています。

なんとなく「自分の仕事にも影響がありそうだな」「取り入れたほうが良さそうだな」と思いながらも、具体的にどうやってAIを活用すればいいかわからないというオンラインストア担当者の方も多いのではないでしょうか?

もちろん、これから日々AI関連サービスは開発されていき、目まぐるしい速度で発展を遂げていくと考えられるため、既存のサービスがより良いサービスに代替される可能性は大いにあります。しかしながら、今からAIを積極的に工夫して活用することで、将来的にAIをより強力に活用できるようになると確信しています。

本記事では、画像とテキストに関するAI活用方法を紹介致します。「自分のストアでもこんな活用ができるかもしれない」というアイデアの一つとして読んでいただけると幸いです。

【この記事はこんな方におすすめ】

  • 自社のECストア運営でAIを活用したい方
  • 効率的な画像加工やバナー作成方法をお探しの方
目次

AIブームはオンラインストア運営者にとってどんな関係があるのか

AI発展の背景

本記事では学術的な解説は必要最低限に留めた上で、弊社なりの見解を示します。

昨今のAIブームは急速な技術革新を背景にしてはいるものの、ある日突然起こったものでもありません。2010年代から、ニューラルネットワークやディープ・ラーニングなどの技術によって”画像認識”と”音声認識”を活用したサービスが誕生していました。

一例として、iPhoneに搭載されているSiriや顔認証は音声認証や画像認証を活用した身近なサービスです。

そしてトランスフォーマーという技術(深層学習モデル)の登場によりさらにAIが進化を遂げ、自然言語処理能力が大幅に向上し、ChatGPTを代表とする対話型AIが誕生しました。

非常にざっくりとはしていますが、こういった背景から現在では

・画像

・テキスト

の2つを扱うのが得意なAIサービスが多く存在していると言えます。

オンラインストア運営者にとってのAI

さて、画像テキストと言えば、オンラインストア担当者の皆様にとっては、非常に大切にされているものがあるかと思います。

  • 商品画像
  • バナー画像
  • 商品説明文/キャッチコピー
  • 広告文

などですね。

これらを工夫することで、自社サイトのWebブラウザ検索結果でのCTR(クリック率)アクセス数離脱率・回遊率CVR(コンバージョン率)など売上を構成する非常に重要な指標に大きな影響を与えられることは、この記事を読まれている方々はよくご存知かと思います。

前述したAI技術の歴史的背景からも、これらすべてがAIの得意領域と言えます。以下の章で、具体的にそれぞれの業務に使えそうなサービスなどを紹介していきます。

AI活用-画像編-

画像加工スマートフォンアプリ: Photoroom

Photoroomはフランス・パリに本拠地を置くPhotoroom社が提供している画像加工サービスです。

オンラインストア用の商品画像を撮影・加工されている方は、背景切り抜きだけでもかなりの工数を取られているかと思います。

Photoroomは画像の切り抜きを非常に高い精度で、かつ高速に処理してくれます。また一度に50枚までの画像を一括処理することもできます。

【左:加工前】【右:加工後】

加工前
加工後

さらに背景切り抜きだけでなく、AIによる背景合成機能や掲載用途に合わせた加工ができる点が非常に魅力的です。
商品ページ内で利用する画像だけでなく、以下のような様々な用途のデザインテンプレートが用意されています。有料プランではさらに豊富なバリエーションの加工に対応しています。

  • 商品一覧でのサムネイル用
  • Googleショッピング広告用
  • ディスプレイ広告用
  • バナー画像用
  • 各種SNS(Instagramリールなど)

バリエーションが非常に多く、ブランドイメージや商材に合わせたテンプレートを見つけることで、クリック率やコンバージョン率の向上が見込めます。

【加工画像例】

Photoroom公式サイト

料金
無料プランあり
有料プラン:年額3,900円 または 月額1,000円(2023年4月1日時点)

AI画像生成サービス: Dreamstudio(商品画像・バナー画像)

対話型のAIではChatGPTが非常に有名なのと同様に、画像生成ではStable Difussionというモデルが有名です。

Twitterなどでも「AI生成」「AI画像」で紹介されているイラストがタイムラインに流れてきたことがある方も多いのではないでしょうか? その多くはStable Difussionを活用したサービスで生成されています。(2023年4月1日現在)

このStable Difussionを使ったサービスは、商品画像やバナーの生成にも役立つ可能性があると筆者は考えています。中でもDreamStudioは難しい環境構築やアプリのインストールなどは不要で、Webサービスとして利用できます。

使い方は以下のように非常にカンタンです。

  1. “Prompt”という箇所に生成したい画像をテキストで入力します。“NegativePrompt”を入力することで、生成したくない要素を指定することもできます。
  2. “Style”から生成する画像のデザインの方向性を選び、“Settings”からアスペクト比を選択します。
  3. “Model”は生成する言語モデルを指定する機能です。最新のバージョンほど多くのクレジットを消費します。

”クレジット”というポイントのようなものを購入し、それを消費して画像を生成する料金制度になっています。$10で1,000クレジット購入でき、最新バージョンのモデルで4案生成するとおよそ15弱のクレジットを消費します。毎回4案作成するとしたら$10で75回ほど生成することができます。

DreamStudio画面 (2023年4月1日)

【筆者がサンプル用に生成したバナー用背景画像】

サンプルコレクション

”サンプルブランドの最新コレクション特集ページをご覧ください”などのサンプルテキスト

DreamStudio公式サイト

AI画像生成サービス: MidJourney(商品画像・バナー画像)

DeramStudioと同様に環境構築やアプリインストールが不要な画像生成サービスに、MidJourneyというものがあります。

これはWebサービスではなく、Discordでチャンネルに参加し、チャットルームにテキストを入力すると画像を生成してくれるサービスです。これも動作自体はStableDifussionをベースにしています。

MidJourney公式サイト

プロンプトエディター: MidJourney Prompt Helper (バナー画像)

テキストで生成したい画像を指定するだけでは、中々思うような画像のテイストにならないことは多々あるかと思います。そこで、命令文(プロンプト)を一工夫することで、より自分の作りたい画像のイメージに近づけることができます。

そんなプロンプトの生成を手伝ってくれるサービスが、MidJourney Prompt Helperです。

基本的には先に紹介したDreamStudioと同じ言語モデルで動作しているため、MidJourney Prompt Helperで作成したプロンプトをDreamStudioで入力すると、かなり効果があります。

MidJourney Prompt Helper公式サイト

AI活用-テキスト編

ChatGPT (商品説明文/広告文)

商品説明文やキャッチコピー、広告文のアイデアを考えるには、まさにAIブームの火付け役であるChatGPTが活用できるのは言うまでもありません。

この時、チャットで友人に相談するように短文で入力するよりも、プロンプトを工夫することで、より精度の高い回答が得られる可能性が高まります。「Chat GPT プロンプト」などのキーワードで検索すると、目的にあった質問の仕方が見つかるかもしれません。

ただし、自社の商品を一番よく知っているのは社内のメンバーです。社内のメンバーが持っている「お客様からどういう点が支持されているか」、逆に「伝えきれていない長所」などの具体的な情報は非常に貴重なものです。そういった情報を有効活用することで、新規顧客や顧客満足が獲得できます。

例えばChatGPTへ質問するときにより具体的な情報を加えたり、ChatGPTの回答に対して自社特有のアレンジを加えることで、より良いテキストを作り出すことができると思われます。

いくらAIを活用して効率化するとしても、これらの要素をないがしろにしないよう気をつけましょう。

Notion AI (商品説明文/広告文)

Notionとは多機能メモWebアプリで、ドキュメント作成・タスク/スケジュール管理・アイディア/Wiki整理など多様な用途に使用できるサービスです。そんなNotionのアドオン機能として使用できるAIが、Notion AIです。Notion AIに依頼すると、ChatGPTと同様にテキストで様々な情報提供・整理・翻訳等をしてくれます。

ChatGPTと同様の指示をNotionAIで実施するのも効果的かもしれません。Notion AIとChatGPTの違いの一つは、Notion AIはWebアプリ内で動くため、データをCSVで入出力できることです。
そのため、NotionAIがChatGPTよりもオンラインストア向けに有用な点としては、Notionに商品データをCSVでインポートし、Notion AIでテキストを生成したのち再びCSVでエクスポートできる点ではないでしょうか?

多くの品番数を取り扱う場合、一つ一つの品番をChatGPTに入力してコピー&ペーストするとかなりの手間になるかと思います。そういう場合にはNotion AIを活用することがオススメです。

Notion公式サイト

Shopify Magic (商品説明文)

まだ実装されていない機能ですが、以下の通りShopifyが商品説明文をAI生成する機能を実装予定であると発表しました。

商品説明文が勝手に書いてくれたらいいのにと思ったことはありませんか?Shopify Magic-商取引のために設計されたShopifyの人工知能ツール-を使えば、それが可能になります。
高品質で魅力的な商品説明が数秒で作成できるようになり、時間の節約、販売数の増加、より多くの買い物客に商品を届けることができるようになりました。

新規出店者にとって最も時間のかかる作業のひとつが、出店の準備です。そして、ストアの早期成功のための最も重要な要因の1つは、よく練られた商品ページと説明文にあります。

Shopifyのすべてのストアで、説明文さえない販売商品が何百万とあることをご存知ですか?商品説明は顧客の意思決定プロセスにおいて重要な役割を担っており、説明文を改善することで、サイトへのトラフィックを促進し、コンバージョンを高めることができます。

Shopifyはそのお手伝いをします。商品の詳細や検索エンジンで上位に表示させたいキーワードをいくつか入力するだけで、ショップの管理画面の商品設定ページで、ツールが自動的に商品説明文を生成してくれます。このツールで、商品説明文が自動生成されます。

商品説明文の作成は、管理画面上で自動的に行われます。大規模な商品カタログをお持ちのお客様は、オンラインストア全体で一貫したトーンで魅力的な商品説明をすばやく作成できるようになりました。商品点数の多寡にかかわらず、管理画面上に文字入力機能が組み込まれているため、より多くの時間をビジネスの運営に集中させることができます。

Shopify公式ブログより引用 (弊社仮訳)

Shopify公式ブログ原文はこちら

最後に

いかがでしたでしょうか? オンラインストアを運営する上で、売上に大きく左右する要素を、今すでにあるAIサービスを活用して効率化できるイメージが少しでも浮かんでいれば幸いです。

冒頭にも記載した通り、もちろん日々新たなサービスが開発されており、既存のサービスがより良いサービスに代替される可能性は大いにあります。

それでも、今あるサービスを最大限上手く使う工夫を続けることで、より良いストア作りができるだけでなく、担当者のAI活用スキルもレベルアップしていくと筆者は考えています。

是非、自社のオンラインストア運営にAI活用を取り入れてみてはいかがでしょうか?


私たちMarketdiveは、Shopifyアプリを開発・運営しています。本記事で紹介した画像加工や説明文の作成だけでなく、商品画像の登録を効率化したい方は、是非Shopifyアプリ「商品画像一括登録くん」をご利用ください!
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この記事を書いた人

MarketdiveはShopifyパートナーであり、独自に開発したShopifyアプリ「商品画像一括登録くん」を運営しています。またEコマース専門家として、Shopifyを中心にEC事業及びデジタルマーケティングのコンサルティングを提供しています。

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