X(Twitter)アルゴリズム2026最新解説|公開コードから読むECアカウント運用の勝ち筋
「リプライは何点」「URLを貼ると減点」——X(旧Twitter)の運用で、こうした固定点数の攻略法を聞いたことがある方は多いはずです。
しかし2026年に公開・更新された xai-org/x-algorithm(Xの公式リポジトリ)を読むと、その前提はすでに過去のものになっています。
今のFor Youフィードは、「この投稿を見た人が、次にどんな行動をしそうか」を一人ひとり予測して並べる仕組みに変わりました。つまりX運用は、いいねの数を追う作業から、読者の行動を設計する仕事へと変わったのです。
この記事は、その変化をEC事業者が明日の投稿にそのまま使える形でまとめた決定版です。

2026年5月16日 更新:5月15日の追加公開を反映しました
Xは推薦アルゴリズムのコードを2026年1月に初めて公開し、5月15日にその公開内容を大きく更新しました。
この記事の読み方
前半は、専門用語ぬきで「日々のSNS運用にすぐ使える話」だけをまとめています。投稿アイデアがほしい方は前半だけでも十分です。
後半は、前半の内容が「なぜそう言えるのか」を、公開コードをもとに解説する根拠パートです。じっくり理解したい方向けです。
前半|EC運用者向け:明日からのX投稿が変わる
【まず結論】2026年のX運用で見るべき7つのポイント
細かい仕組みを読む前に、結論からお伝えします。2026年のX運用で意識すべきことは、次の7つです。
- For Youフィードは、フォロー中の投稿とフォロー外の投稿の両方から表示候補を集める
- Xは、いいね・返信・クリック・プロフィール閲覧・動画視聴・滞在・フォローなど複数の行動を同時に予測している
- 表示順は、それら複数の行動予測を重み付きで合算したスコアで決まる
- 同じ投稿者ばかり並ばないよう、多様性の調整が入る(連投は自分の投稿同士で食い合う)
- ミュート・ブロック・通報・「興味なし」につながりそうな投稿は、強く不利になる
- 投稿の中身(スパムっぽさ・テーマ・画像と本文の一致)まで「内容」が見られるようになった
- 広告やおすすめユーザーも同じフィードに混ざるため、並んでも違和感のないブランド投稿が求められる
EC事業者がやるべきことは、ただバズを狙うことではありません。
商品に関心がある人が、読み、見て、画像を拡大し、クリックし、プロフィールを確認し、必要なら質問したくなる——その一連の行動が起きる投稿を作ることです。

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何がどう変わった?|「以前 → 今回」で見るXアルゴリズムの変化
Xの推薦アルゴリズムは、本来は日々改善され続けているものです。ただ、その中身を私たちが外から確認できるのは、Xがコードを「公開」したタイミングだけです。2026年はこの公開が1月と5月の2回あり、さらに2023年の初公開とあわせて、変化の方向性が読み取れるようになりました。運用者にとって重要なのは、「昔の常識のまま運用していないか」を確認することです。ここでは公開情報から見える3つの大きな変化を「以前 → 今回」で見ていきます。
変化① 「固定点数の攻略」→「一人ひとりの行動予測」
以前(2023年版)はこうだった:「リプライは加点」「通報は大きく減点」のように、行動ごとに固定の点数がある、と説明されていました。だから運用も「点数の高い行動を稼ぐ」発想になりがちでした。
今回(2026年版)はこうなった:固定の点数表はなくなりました。今は、投稿を見た人が「いいね・返信・クリックなどをする確率」を一人ひとり予測し、それを合算して表示順を決めます。同じ投稿でも、見る人によって評価が変わります。万人に効く“裏技”は存在しません。
変化② 「数字だけを見る」→「投稿の中身まで見る」
以前(2026年1月版)はこうだった:1月の初公開時点では、主に「どんな行動が起きそうか」を予測する部分が公開されていました。
今回(2026年5月版)はこうなった:5月15日の追加公開で、Xが投稿の“中身”を理解するための仕組みを持っていることが分かりました。スパムっぽくないか、どんなテーマの投稿か、返信として役に立つ内容か、画像・動画と本文が合っているか——こうした「内容の質」が、これまで以上に効くようになっています。
変化③ 「フォロワー向け」→「フォロー外・広告と並ぶ前提」
以前はこうだった:投稿はまずフォロワーに届く、という意識が中心でした。
今回はこうなった:For Youフィードは、フォロー外の人にも積極的に投稿を届けます。さらに広告やおすすめユーザーも同じ流れに混ざります。つまり投稿は、「あなたを知らない人」「広告の隣」に表示される前提で作る必要があります。内輪ノリや説明不足の投稿は届きにくくなりました。

3つの変化に共通するのは、「投稿単体の裏技」より「読者と投稿内容の一致」が大事になったということです。次から、これを具体的な投稿づくりに落とし込みます。
Xが見ているのは「いいね数」だけではない
2026年版で最も重要なのは、Xが「いいね」という一つの人気指標を見ているわけではないという点です。実際には、投稿を見た人がどんな行動をするかを、十数種類まとめて予測しています。
運用に効く行動を、プラスとマイナスに分けて整理します。
| 方向 | Xが予測している行動 | EC投稿での意味 |
|---|---|---|
| プラスに働く | いいね/返信/リポスト/引用/投稿クリック/プロフィールクリック/動画視聴/画像拡大/共有(DM・リンクコピー含む)/滞在(じっくり読む)/フォロー | 「思わず反応・確認したくなる」投稿。商品理解や購入検討に近い行動ほど事業成果に直結する |
| マイナスに働く | 「興味なし」/ミュート/ブロック/通報 | これらを誘発する投稿は表示が強く抑えられる。煽り・連投・誤解を招く表現は危険 |
ECアカウントにとって大事なのはここです。いいねが多くても、クリック・プロフィール閲覧・フォロー・購入検討につながらなければ売上は動きません。
逆に、派手なバズがなくても、対象のお客様が画像を拡大し、商品ページをクリックし、質問し、プロフィールを確認する投稿は、事業成果に近い“良い投稿”です。投稿の評価軸を「いいね数」から「狙った行動が起きたか」に切り替えましょう。

投稿は「狙う行動」から逆算する|EC向け行動設計表
Xが複数の行動を見ているなら、投稿づくりのコツはシンプルです。投稿を作る前に「この投稿で起こしたい行動を1つだけ」決めること。すると、本文も画像も自然に決まります。
| 狙う行動 | 投稿の作り方 | ECでの投稿例 |
|---|---|---|
| 返信がほしい | 迷い・比較を投げかける | 「AとBで迷う方は、使う場面で選ぶと失敗しません。どちらが気になりますか?」 |
| クリックしてほしい | 投稿内で価値を伝え、続きを見る理由を作る | 「サイズ表だけでなく、全色の着用写真を商品ページにまとめました」 |
| プロフィールを見てほしい | ブランドの専門性・世界観を見せる | 「毎週、素材選びと長く使うコツを発信しています」 |
| 画像を拡大してほしい | 質感・サイズ感・Before/Afterを写真で見せる | 生地のアップ、設置例、使用前後の比較 |
| 動画を見てほしい | 動き・使い方を短く見せる | 開封、着用、組み立て、比較デモを15〜30秒で |
| フォローしてほしい | 「続きが見たい」と思える定期テーマを作る | 「金曜はギフト選び相談」「毎週サイズ選び解説」 |
| ネガティブを避けたい | 煽り・連投・無関係な便乗をしない | 強引なセール連投や誇大表現を控える |
「1投稿1ゴール」。これを決めるだけで、投稿の作りやすさも、あとから改善する力も大きく変わります。

そのまま使える投稿フォーマット6種
EC事業者は、商品をただ並べるだけでは反応が弱くなりがちです。おすすめは、投稿を「商品紹介」ではなく「購入前の不安を減らすコンテンツ」として設計することです。次の6フォーマットは、どの商材でも応用できます。
| 投稿タイプ | 狙いやすい行動 | 投稿例 |
|---|---|---|
| 比較投稿 | 返信・クリック・画像拡大 | 「AとBの違いを、用途別に整理しました」 |
| 失敗回避投稿 | 滞在・共有・プロフィール閲覧 | 「購入前にここを見ないと、サイズ選びで失敗します」 |
| 使用例投稿 | 画像拡大・動画視聴・クリック | 「実際に使うと、このくらいのサイズ感です」 |
| 開発背景投稿 | プロフィール閲覧・フォロー | 「この素材に変えた理由は、返品理由の多くがここだったからです」 |
| FAQ投稿 | 返信・クリック | 「送料・返品・ギフト対応でよくある質問をまとめました」 |
| キャンペーン投稿 | クリック・共有 | 対象商品・期間・条件・注意点を1投稿で明確にし、詳細ページへつなぐ |
これらの投稿は、単なる告知よりも自然な行動が生まれやすく、フォロー外の初見の人にも伝わりやすいのが特長です。

明日から使えるEC向け投稿アイデア12個
「読者が次に取りたくなる行動」から逆算すると、投稿アイデアはいくらでも出てきます。そのまま使える12個を用意しました。
- 比較投稿:「AとBの違いを、使う場面別に整理しました」
- 失敗回避投稿:「購入前にここを見ないと、サイズ選びで失敗しやすいです」
- 画像拡大狙い:「写真2枚目で、生地の厚みと透け感を比較できます」
- 動画視聴狙い:「15秒で、組み立てから収納までの流れを見せます」
- クリック狙い:「全カラーの着用写真とサイズ表は商品ページにまとめました」
- 返信狙い:「ギフトなら、軽さ重視と高級感重視のどちらで選びますか?」
- プロフィール閲覧狙い:「毎週、素材選びと長く使うコツを発信しています」
- フォロー狙い:「金曜は、週末に選びたいギフト候補を3つ紹介します」
- FAQ投稿:「返品・送料・配送日のよくある質問をまとめます」
- 開発背景投稿:「この仕様に変えた理由は、返品理由の多くがここだったからです」
- レビュー活用投稿:「レビューで多かった使い方を、写真付きで再現しました」
- キャンペーン投稿:「対象商品・期間・条件・注意点を1投稿で確認できるようにしました」
ポイントは、1投稿に全部を詰め込まないこと。今日は画像拡大、明日は返信、週末はクリック——というように投稿ごとの役割を分けると、運用担当者も改善しやすくなります。

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運用チェックリスト|投稿前の確認10項目
X運用を見直すときは、次の10項目を確認してください。投稿前のチェックリストとしても使えます。
- 投稿ごとに、狙う行動が1つに決まっている
- 商品紹介だけでなく、比較・選び方・使用例・FAQが含まれている
- 画像や動画が、装飾ではなく「判断材料」として機能している
- 投稿内で、リンク先を見る理由が伝わっている
- プロフィールを見たくなる専門性・一貫性がある
- 返信対応のルールと担当者が決まっている
- ミュート・ブロックを誘発する連投・煽りを避けている
- 投稿テーマが、アカウントの専門領域から大きく外れていない
- 画像・動画・本文・プロフィールが、同じ読者に向けて設計されている
- Shopifyの商品ページやキャンペーン導線が整っている

逆効果になりやすい「古い攻略法」|以前はOK → 今は注意
かつて「効く」と言われたテクニックの中には、2026年版では逆効果になりやすいものがあります。「以前 → 今回」で確認しておきましょう。
| 古い攻略法 | 以前の考え方 | 今回(2026年版)の注意点 |
|---|---|---|
| 中身の薄い返信稼ぎ | 返信が多いほど加点 | 返信の「役立ち度」も見られる。薄い返信は評価につながりにくい |
| ハッシュタグの乱用 | 多く付けるほど露出が増える | 無関係なタグはテーマのブレと見なされ、届け先がぼやける |
| リンクだけを貼る投稿 | とにかく誘導すればよい | 投稿内で価値が伝わらないとクリックされず、滞在も短い |
| 同じ文面の連投 | 露出回数を稼げる | 多様性の調整で自分の投稿同士が食い合う。ミュート要因にも |
| 過度な煽り・誇大表現 | 反応が一気に伸びる | 通報・ブロック・「興味なし」を誘発し、表示が強く抑えられる |
| 無関係なトレンド便乗 | 話題に乗れば伸びる | 商品テーマと無関係だと、関心の近い人に届かなくなる |
2026年版の考え方では、表面的なテクニックよりも、対象のお客様が自然に読み、見て、クリックし、会話したくなる投稿設計が重要です。ここまでが、日々の運用にそのまま使える前半パートです。

後半|技術解説:前半の「根拠」を公開コードで確かめる
ここからは後半・技術解説パートです。前半でお伝えした「行動予測」「投稿の中身が見られる」「フォロー外・広告と並ぶ前提」——これらがなぜそう言えるのかを、公開リポジトリ xai-org/x-algorithm をもとに解説します。前半の内容を「なるほど」と納得するための根拠パートとしてお読みください。
2026年版Xアルゴリズムの全体像
2026年公開のリポジトリでは、For Youフィードが大きく4つの部品で構成されると説明されています。
- Home Mixer:フィード全体を組み立てる司令塔。候補集め → 情報補足 → フィルタ → スコアリング → 選択、の流れを管理する
- Thunder:フォロー中アカウントの最近の投稿(In-Network)を高速に取り出す部品
- Phoenix:フォロー外の投稿を見つけ(Retrieval)、全候補を採点する(Ranking)GrokベースのAIモデル
- Candidate Pipeline:上記を組み立てるための共通フレームワーク
表示候補は、次の2種類のソースから集まります。
- In-Network:ユーザーがフォローしているアカウントの投稿
- Out-of-Network:フォロー外から、機械学習で関連性が高いと判断された投稿
この2種類をHome Mixerが束ね、中心となるPhoenixが採点します。「フォロー外にも届く」「Phoenixが行動を予測する」という前半の話は、この全体像から来ています。
【時系列】2023年版 → 2026年1月版 → 2026年5月版
前半で触れた「以前 → 今回」の変化を、時系列で正確に整理します。アルゴリズム自体は継続的に更新されていますが、その中身が公開(オープンソース化)されたのは大きく3回——2023年・2026年1月・2026年5月です。それぞれの公開時点をもとに整理します。
| 時期 | 何が公開されたか | 仕組みの中心 | 運用への意味 |
|---|---|---|---|
| 2023年3月版 | 初代アルゴリズム(旧Twitter) | 固定の加点・減点表(行動ごとに点数) | 「点数稼ぎ」が通用すると考えられた |
| 2026年1月版 | xai-org/x-algorithm を初公開。Phoenix(Grokベース)が前面に | 一人ひとりの行動を予測し、重み付きで合算 | 固定点数は廃止。行動予測に合う投稿設計が有利に |
| 2026年5月版 | 同リポジトリを更新公開(本記事の基準) | 上記+投稿内容の理解・広告ブレンド・候補ソース拡充 | 投稿の中身・安全性・文脈まで見られる前提に |
ポイントは、2023年版と2026年版は別物だということ。そして2026年版の中でも、1月から5月でさらに踏み込んだ、ということです。古い記事や情報を読むときは、どの世代の話なのかを必ず確認してください。
For Youフィードが投稿を選ぶ9ステップ
公開コードから読むと、For You配信はおおむね次の流れで整理できます。前半の「複数行動の予測」「多様性の調整」「ネガティブの除外」が、どの段階で効くのかが分かります。
- ユーザー情報を取得する:フォローリスト、過去のエンゲージメント履歴、表示済み投稿などを取得します。
- 候補投稿を集める:Thunderがフォロー中の投稿を集め、Phoenix Retrievalがフォロー外から関連しそうな候補を見つけます。
- 候補情報を補足する:投稿本文、メディア、投稿者情報、動画時間、購読状態などを補います。
- 事前フィルタをかける:重複、古い投稿、自分の投稿、ブロック・ミュート対象、ミュートキーワード、すでに見た投稿などを除外します。
- Phoenixで行動確率を予測する:候補ごとに、いいね・返信・リポスト・クリック・プロフィール閲覧・動画視聴・画像拡大・滞在・フォロー・ネガティブ行動などの確率を予測します。
- Weighted Scorerで合算する:複数の行動予測を重み付きで合算し、投稿候補のスコアを作ります。
- Author Diversityで調整する:同じ投稿者の投稿が並びすぎないよう、著者単位でスコアを調整します。
- OON Scorerでフォロー外投稿を調整する:フォロー外投稿は、フォロー中投稿とのバランスを取るために調整されます。
- Top Kを選び、最終フィルタを通す:スコア上位の候補を選び、削除済み・スパム・暴力的/不適切な内容などを最終確認して配信します。
この流れから分かるのは、X運用が「投稿単体の裏技」ではなく、ユーザーの行動履歴と投稿内容の一致を作るゲームになっているということです。前半でお伝えした内容の根拠が、まさにこの9ステップです。

2026年5月15日の追加公開で新たに分かったこと
前半の「変化②(投稿の中身まで見る)」「変化③(広告と並ぶ前提)」の根拠が、この5月15日の更新です。1月版になかった要素が複数追加されました。
- 投稿内容を理解する仕組み(Grox)が追加:スパム判定、投稿カテゴリの分類、返信ランキング、ポリシー判定、画像・動画を含めた内容理解(マルチモーダル埋め込み)などの処理が公開コードに入りました。以前は主に「行動予測」が中心でしたが、今回は「投稿そのものの中身」を見る部分が明確になりました。
- 候補ソースが増えた:ThunderとPhoenixだけでなく、話題ごとの候補、過去に反応がよかった投稿、複数モデルの組み合わせなどが見えています。フォロワー向けだけでなく、初見の人にも文脈が伝わる投稿が必要です。
- ユーザー文脈の取得が広がった:フォロー、ミュート、ブロック、購読、関心トピック、表示履歴、相互フォローなどが扱われます。「誰に向けた投稿か」が曖昧だと、関心の近い人に届きにくくなります。
- 候補投稿の補足情報が増えた:エンゲージメント数、言語、メディアの有無、引用投稿、相互フォロー、ブランドセーフティ、トピック情報などが補足されます。画像・動画・本文・プロフィールの一貫性が、より大切になります。
- 広告ブレンドとブランドセーフティが見えた:広告をフィードのどこに挿入するか、危険・不快な投稿の近くに広告を出さないようにする処理が追加されました。ECブランドは、広告や他投稿と並んでも違和感のない投稿を積み上げる方が安全です。
- Phoenixの実行パイプラインとサンプルモデルが公開:検索からランキングまでを試せるパイプラインと、小型の学習済みモデルが用意されました。ただし実運用の全データ・全ルールが公開されたわけではなく、点数攻略には使えません。

スコアはどう作られるのか|Weighted Scorer の考え方
前半で「複数の行動予測を重み付きで合算する」と書いた部分の、もう少し詳しい説明です。公開コードのスコアリングは、おおむね次のように組み立てられています。
- Phoenix Scorer:投稿ごとに、十数種類(実装上は19種類)の行動が起きる確率を予測します。いいね・返信・リポスト・引用・各種クリック・動画視聴・画像拡大・各種共有・滞在・フォローなどのプラス行動と、「興味なし」・ブロック・ミュート・通報のマイナス行動です。
- Weighted Scorer:それぞれの確率に重みを掛けて合算し、1つのスコアにまとめます。プラス行動は加点、マイナス行動は減点として働きます。なお、各行動の具体的な重み(点数)は公開されていません。だから「この行動で何点」という攻略はできません。
- Author Diversity Scorer:同じ投稿者の投稿が並ぶほどスコアを少しずつ下げ、フィードの多様性を保ちます。連投が自分の投稿同士で食い合うのはこのためです。
- OON Scorer:フォロー外(Out-of-Network)の投稿のスコアを調整し、フォロー中の投稿とのバランスを取ります。
重要なのは、最終スコアが「単一の人気度」ではなく「複数の行動予測の合算」だという点です。だから前半で「いいね数だけを追っても売上は動かない」と言えるのです。
公開コードで「分かること」と「分からないこと」
本記事は、公開リポジトリとX公式の推薦システム説明から読み取れる範囲をもとにしています。誤解を避けるため、線引きを明確にしておきます。
公開コードから分かること:For Youフィードの大まかな構成、候補取得の流れ、Phoenixによる複数アクション予測、スコアリング、著者多様性、フォロー外投稿の調整、各種フィルタ、Groxによる投稿理解、広告ブレンドやブランドセーフティ隣接制御の考え方の一部。
公開情報だけでは分からないこと:実運用上の全パラメータ、各行動の具体的な重み、学習データ、ユーザーごとの実際の挙動、広告オークションや配信ロジックの全体、今後の更新内容。
そのため本記事では、「公開コードで確認できる事実」と「EC運用者向けに類推できる実務上の示唆」を分けて扱っています。前半の運用アドバイスは、後者(仕組みから導いた実務的な示唆)であることを前提にお読みください。
2023年版アルゴリズムの歴史的位置づけ
2023年版の公開コードでは、いいね・リプライ・リポスト・通報・ミュートなどの加点・減点が話題になりました。ただし、2026年時点でそれをそのまま「攻略ルール」として使うのは危険です。
一方で、2023年版から残すべき考え方もあります。
- 会話が生まれる投稿は強い
- ネガティブ反応を誘発する投稿は避ける
- フォロー外に届くには、ユーザー関心との一致が必要
- ユーザー体験を損ねる投稿は、長期的に不利になりやすい
これらの「方向性」は2026年版とも整合します。逆に、「リプライは何点」「URLは必ず減点」「ハッシュタグは何個まで」といった断定的な数値ルールは、2026年版の運用ルールとしては扱わないのが安全です。
まとめ|2026年のX運用で大切なこと
2026年版のXアルゴリズムでは、固定点数を追う運用よりも、ユーザーごとの行動予測・投稿内容の理解・ブランドセーフティに合う投稿設計が重要になっています。
EC事業者がやるべきことは、いいねだけを追うことではありません。返信・クリック・プロフィール閲覧・画像拡大・動画視聴・フォロー・商品ページ遷移までを、一連の流れとして設計することです。
そしてX運用は、投稿単体で完結しません。商品ページ・Shopifyストア・キャンペーン・購入前不安の解消までつながって、はじめて売上に近づきます。
EC向けX運用・集客導線の無料診断
X投稿・商品ページ・Shopifyストア・キャンペーン・アプリ導線までまとめて確認します。投稿が伸びているのに売上につながらない場合は、導線側に改善余地があるかもしれません。
